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超フォトブック散歩

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写真撮影・カメラ・レンズ・そして散歩をしようかな!

―うさぎ伝説(序章)―

むかし、むかーし、坂東は、中仙道沿いの浦和宿に、
調(ちょう)と呼んでいた貢物(みつぎもの)を、
坂東や東北一円から集め朝廷(奈良)へ運ぶため保管しておく
多くの倉が建っている場所があった。
1.神社の参拝口
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朝廷への貢物である調は、神聖な物として崇め(あがめ)、
祭られ(まつられ)、祈りがささげられ倉の中に保管されました。
人々は、その倉を守る目的で森の入り口の柱の上に、
一対の石で刻んだ犬を置き、一日中見張りをさせることにした。
村人たちは、石でできた、白くキツネに似た犬を、
いつしか『狛犬』と呼んでおった。

ある満月の夜のことだった。
「今夜はやけに犬が吠えるのぉ」
「うんだぁ。キツネか、うさぎでも追っかけてるよんだなぁ」

それから毎晩、犬と、うさぎかキツネが、まるで
おっかけっこか、かくれんぼをしているような気配が
14日間も続いた。

気味悪がって、村の長を中心に
十人ほどが一団となって、たくさんの倉が立つ森へやってきた。
入り口に立つ二本の柱のところまで来た村人たちは、

「うわぁ」
「ぎゃぁー」

森の中では、倉から倉へ、2匹の白い犬と4匹の白いうさぎが、
じゃれあいながら、おっかけっこをしている。
それだけなら驚かないが、

柱の上にいるはずの石でできた、
2匹の狛犬がいないではないか。

「こりゃ、えらいこっちゃ」
「んだぁ」
「おそろしかぁ」
「たたりじゃ」

その声に気づいて、
遊んでいた犬とうさぎたちは、あっという間に、
森の暗闇に消えていってしまった。
空には下弦の月が、黄色く細く光っているだけでした。
やがて東の空が少しずつ明るくなってきて、
月もだんだんと白く透き通って、やがては消えていった。

次の晩のことだった。
倉のある森一帯は夜になっても、
真っ暗で物音ひとつせず静まり返っていた。

「今夜は、やつらは出ねえのか?」
「見に行くべか?」
「んだぁ」

新月の夜だったので、村人たちは
たいまつをもって森の入り口までやってきた。

「うわぁぁぁー」
「ぎゃーあぁぁぁー」

白い動物が右側の柱の上に2匹、
左側の柱の上に2匹。

近づいてみると、なんと、
石になった『うさぎ』が。
2.うさぎのこまうさぎ おとうさんとボク
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3.うさぎのこまうさぎ おかあさんとわたし
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村人たちは、うわさをしたそうだ。

《夜になって、楽しそうにじゃれあって、
おっかけっこをしている2匹の狛犬を、
うらやましそうに月から眺めていたうさぎの親子が、
とうとう満月の夜に、月から地上に降りてきた。

それから毎晩、まわりが寝静まったころに
うさぎの親子は月から降りてきて、犬たちと
おっかけっこをしては、東の空が白むころに
月に帰っていった。

あの夜。
そう、村人たちが好奇心でのぞきに行った晩。
細く、今にも消え入りそうな下弦の月の晩でした。

村人たちが柱の脇で「わいわい」しているので、
夜が明けるころになっても、
犬たちは柱の上にもどれず、
うさぎの親子もとうとうその晩は、月に帰れなくて、
森の奥で、
次の晩の月が出るまでじっと待っていた。

ところが、
次の晩は、新月の晩だった。
あの明るい月が出てこない。
いつまでたっても、
あの暖かい棲家の月が。

うさぎの親子は、
月がなくなってしまったと落胆し、
月にもう帰れないと嘆き悲しんだ。

泣き喚く子供たちを必死になだめる
おとうさんうさぎとおかあさんうさぎ。
不憫でかわいそうに思った2匹の犬は、
自分の棲家の柱の上を、ゆずったのだとうわさをした。》
5.
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このときから、調(つき)神社には、
狛犬ではなく、こまうさぎが
みんなを出迎えるようになったとさ。

この物語はフィクションです。
続く
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by top-bluediamond | 2011-01-19 21:55 | スピリチュアルな散歩道